障害者年金

文責:所長 弁護士・社会保険労務士 石井浩一

最終更新日:2023年06月19日

1 障害者年金?

 「障害者年金について聞きたい」というご相談をいただくことがありますが、正確には「障害年金」のことかと思います。

 障害年金とは別の制度として、障害者手帳もあるため、混同してしまっている方も多いのかもしれません。

 以下では、障害年金についてご説明いたします。

2 保険料の納付

 障害年金も、国の年金制度の一種ですので、おおまかな仕組みとしては老齢年金(いわゆる国民年金、厚生年金と呼ばれている、原則65歳から受け取る年金です。)と同様、保険料の納付が基本的な前提となります。

 また、老齢年金がいわゆる国民年金、厚生年金の2階建てとなっているように、障害年金についても、障害基礎年金と障害厚生年金の2階建てとなっています。

 相違点もいくつかありますが、特に大きなものは、障害基礎年金となるか障害厚生年金となるかについては、以下で見る初診日の時点での納付状況で決まることです。

 例えば正社員で長年継続して働き、厚生年金を納めていた方が個人事業主となって国民年金に加入した後に初診日がある場合には、障害基礎年金しか受給できないことになります。

 なお、初診日が20歳前の方の場合には、納付要件が問題とならない20歳前障害基礎年金の申請となります。

3 初診日の特定

 上記のとおり、障害年金は初診日時点で国民年金に加入していたか厚生年金に加入していたかで申請する障害年金の種類が決まるほか、保険料の納付の要件も初診日時点までの状況によって確認されます。

 さらに、障害状態を認定する「障害認定日」についても、原則として初診日の1年6か月後となります。

 このように、初診日が障害年金の色々な基準となっているため、原則としてそれを特定することが求められています。

4 障害状態

 初診日が特定されており、保険料の納付に問題がなければ、あとは障害の状態が障害年金受給の程度に達しているか否かで受給の可否が決まることになります。

 詳細は、日本年金機構が公開している障害年金認定基準に規定されています。

 しかし、例えばうつ病の症状等は千差万別であり、基準を見ただけですべての傷病に関して障害認定の見込みなどが明確になるわけではありませんので、その点には注意が必要です。

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