障害年金申請で診断書の記載が重要な理由

文責:所長 弁護士・社会保険労務士 石井浩一

最終更新日:2023年04月14日

1 障害年金申請における診断書の重要性

 障害年金の申請にあたっては、複数の申請書類を提出することになりますが、その中でも、診断書は重要な書類となってきます。

2 初診日の特定等にかかわる場合がある

 障害年金は、初診日が特定されていないと受給できません。

 初診日(申請する傷病について最初に医療機関にかかった日)に通院していた病院と診断書の作成を依頼する病院が異なる場合には、通通常初診日に通院していた病院の方で、別に「受診状況等証明書」という書類を作成していただく必要があります。

初診日と同じ病院で診断書の作成を依頼する場合には、診断書が同時に初診日を証明する資料にもなります。

 障害年金のルールとして、初診日の特定が出来ないと判断されてしまうと、いくら症状が重くとも、具体的な症状の審査もしてもらえず、障害年金の受給ができないこととなるため、その意味で診断書は重要となります。

3 障害年金の審査は提出書面で行われる

 障害年金の申請をすると、担当官や担当医師が申請した人の元まで来て、どういった症状なのか審査する、というものではありません。

 申請された書類をもとに、障害年金受給の要件を満たしているか、障害年金受給が認められる程度の症状となっているかを審査することになります。

 こういった審査方法の場合、例えば口頭で症状について補充することができるわけではありませんので、診断書に何が書かれているのかが重要になってくるというわけです。

 他方で、お医者様は、診察の際に症状等を聞いているくらいのかかわりしかないのが通常ですので、来院してくる患者すべての日常生活状況等についてすべて把握しているとは言い切れません。

 そこで、診断書を書いていただく際に、しっかりと症状の程度、日常生活において支障が出ていること等を伝えておく必要があります。

 障害年金の中には、検査の数値等でおおむね等級が定まるようなものもありますので、こういった傷病の申請に際しては、しっかりと検査結果を書いていただく必要があります。

他方、例えば精神疾患等の場合、具体的な検査数値等で測ることができない様々な症状が発現していますし、個々人の症状も千差万別であるため、総合的な判断とされます。

 総合的な判断を求められる傷病の診断書の場合には、診察の結果等を踏まえて日常生活状況等を記載することも求められているため、症状などをしっかり伝えておき、適切に診断書に反映していただくことが重要となってきます。

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