注意欠陥多動性障害(ADHD)で障害年金が受け取れる場合
1 ADHDで障害年金が受け取れる場合があります
発達障害に含まれるADHDは、精神の障害の1つとして、受給のための各要件を満たすことで障害年金が受け取れるようになります。
その要件は、①初診日、②保険料の納付、③障害の程度です。
以下にて、要件ごとにご説明いたします。
2 初診日について
⑴ 初診日の特定方法
障害年金を受給するためには、原則として初診日(障害の原因となった病気やケガについて初めて医療機関を受診した日)において公的年金に加入していることが求められます。
上記の要件を満たしているか否かを判断する前提として、まず、初診日がいつであるかを特定する必要があります。
初診日を特定するには、最初に受診した医療機関で「受診状況等証明書」という書類を作成してもらいます。
最初に受診した医療機関がなくなっている場合やカルテが保管されていない場合には、2番目以降の通院先が保管している紹介状やカルテ等に最初の医療機関を初めて受診した日が記載されていれば、その情報に基づいて受診状況等証明書を作成してもらいます。
⑵ ADHDの初診日
ADHDで障害年金を申請する場合、大人になってから初めて精神科や心療内科等を受診した場合には、通常、その時点が初診日となります。
幼少期から受診している場合には、初診日は20歳前となり、「20歳前傷病による障害基礎年金」の申請となります。
⑶ うつ病等の精神疾患も発症している場合の初診日
また、発達障害の他に、うつ病等の精神疾患を発症している場合には、それらは同一傷病となり、一連の症状で初めて医療機関を受診した日が初診日となります。
3 保険料の納付
障害年金は年金制度からの給付であることから、原則として一定の保険料の納付が求められています。
納付済みか未納かは初診日の前日における状況で判断され、初診日が属する月の前々月分までの期間(例えば2020年5月15日が初診日となる場合、2020年3月分まで)が判断の対象となります。
その上で、①直近1年間に未納がない、②年金制度に加入以降の期間のうち2/3以上で納付しているか免除を受けている、のどちらかを満たす必要があります。
ADHDについて幼少期からメンタルクリニック等を受診している場合、初診日は20歳前となりますが、この場合は初診日時点で保険料納付義務がないことから、保険料の納付要件は必要とされません。
4 障害の程度
上記2、3の要件を満たした上で、障害の程度が等級に該当すると判断されると、障害年金が受け取れることになります。
日本年金機構が定める障害認定基準では、精神の障害でどのようなものが等級に該当するかが定められています。
参考リンク:日本年金機構・国民年金・厚生年金保険 障害認定基準
ADHDは、認定基準の中の発達障害の認定要領で審査されます。
もっとも、認定基準及び認定基準の文言は抽象的で不明確な部分もあり、以下の「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」によって審査が行われる運用となっています。
参考リンク:日本年金機構・『国民年金・厚生年金保険精神の障害に係る等級判定ガイドライン』等
お役立ち情報
(目次)
- 障害年金を受給するためのポイント
- 障害年金で必要な書類
- 不支給通知が届いた場合
- 様々な資料で初診日の証明ができた事例
- 障害年金の事後重症請求
- 障害年金申請で診断書の記載が重要な理由
- 障害年金の計算方法
- 障害年金の所得制限
- 働きながら障害年金を受給できる場合
- 障害年金で後悔しやすいケース
- 障害年金の種類
- 額改定請求について
- 障害年金を受給できる確率
- 障害年金がもらえない理由
- 注意欠陥多動性障害(ADHD)で障害年金が受け取れる場合
- 自閉スペクトラム症(ASD)で障害年金が受け取れる場合
- コロナ後遺症で障害年金を受け取る場合
- 肺結核で障害年金を請求する場合のポイント
- 狭心症で障害年金を請求する場合のポイント
- リウマチで障害年金が受け取れる場合
- 障害年金と障害者手帳の違い
- 特別障害者手当
- 障害者手帳について
- 障害者年金
- 社会保険労務士とは
受付時間
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