障害年金の所得制限
1 20歳前障害の障害基礎年金では所得制限されることがある
老齢厚生年金には在職老齢年金という制度があり、一定以上の収入がある場合には老齢年金が減額されることになっていますが、障害年金には原則としてこのような制度はありません。
障害年金の場合、通常は収入がいくらであっても、減額されることなく支給されることになります。
ただ、障害年金であっても所得制限がなされる例外があります。
その例外とは、初診日が20歳以前にある場合に支給される20歳前障害の障害基礎年金です。
20歳前障害の障害基礎年金は、保険料を納付していなくても受け取ることができるため、例外的に制限や調整を行う仕組みが導入されています。
2 20歳前障害の障害基礎年金で所得制限がなされる金額
本人の前年の所得額が472万1000円を超える場合は全額が支給停止されます。
そして、本人の前年の所得額が370万4000円を超え472万1000円以下である場合は半額が支給停止されます。
本人の前年の所得が370万4000円以下である場合には、全額が支給されます。
なお、本人に扶養親族がいる場合、扶養親族1人について上記の所得額に38万円が加算されます。
3 公的な給付との調整
仕事をして得た収入ではなく、公的な給付による収入がある場合には、障害年金を受給する際に調整の対象となる場合があります。
⑴ 障害年金と労災保険の年金
同一の事由に関して障害年金と労災保険の年金が給付される場合、障害年金は全額が支給され、労災保険の年金が一定の割合で減額されます。
⑵ 障害厚生年金と傷病手当金
同一の事由に関して障害厚生年金と健康保険の傷病手当金が受給できる場合は、原則として傷病手当金が全額支給停止され、障害厚生年金(1級、2級の場合は障害基礎年金も加算)の額を360で除した額が、1日当たりの傷病手当金の金額よりも少ない場合には、差額分の傷病手当金が支給されます。
⑶ 障害基礎年金と傷病手当金
障害基礎年金のみ受給している人が就職し、その後、障害基礎年金を受給する原因となった病気やケガが悪化して傷病手当金を受給する場合には、障害基礎年金と傷病手当金の両方を受給することができます。
現在、他の公的な給付を受給しており、障害年金の請求をご検討中の方や、公的給付と障害年金との関係が気になる方は、障害年金を取り扱っている専門家に相談することがおすすめです。
お役立ち情報
(目次)
- 障害年金を受給するためのポイント
- 障害年金で必要な書類
- 不支給通知が届いた場合
- 障害年金の事後重症請求
- 障害年金申請で診断書の記載が重要な理由
- 障害年金の計算方法
- 障害年金の所得制限
- 働きながら障害年金を受給できる場合
- 障害年金で後悔しやすいケース
- 障害年金の種類
- 額改定請求について
- 障害年金を受給できる確率
- 障害年金がもらえない理由
- 自閉スペクトラム症(ASD)で障害年金が受け取れる場合
- コロナ後遺症で障害年金を受け取る場合
- 肺結核で障害年金を請求する場合のポイント
- 狭心症で障害年金を請求する場合のポイント
- リウマチで障害年金が受け取れる場合
- 障害年金と障害者手帳の違い
- 特別障害者手当
- 障害者手帳について
- 障害者年金
- 社会保険労務士とは
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